日頃より「僕たちは勉強ができない」を見続けて思うところがあります。
それは本来メインヒロインであるはずの古橋文乃氏の出番が非常に少ないということです。
文乃は=ジャンプの表紙ではりずりんと一緒に登場しているものの、主人公の親友ポジションに収まってしまい、
いつの間にかヒロインレースから外れていました。現状では古橋文乃ENDになるのは相当可能性が低いでしょう。
なぜ古橋文乃氏はこんなに不遇になってしまったのでしょうか。今回はその理由についての考察です。
ラブコメはバトル物!
ハーレムラブコメのヒロインたちは”ヒロインレース”と呼べれるバトルものだと思っています。
メインヒロインたちが自分自身の「属性」を使い読者の心を掴んで、最終的に一番人気になったキャラが主人公と結ばれ、人生の大勝利を収めるようなバトルです 。
成幸とは運命の赤い糸で結ばれている……はずだった。
文乃は物語序盤の時点では立派にメインヒロインをやっていました。
文乃はハーレムものには必ず一人はいる、黒髪の正統派ヒロイン枠で、天然毒舌系のキャラクターでした。
さらにいうと、「古橋文乃さんの家庭環境、闇が深すぎる【ぼくたちは勉強ができない】」という記事に書いたように
文乃は片方の親が亡くなっています。主人公である成幸と似たような境遇の持ち主です。
連載が始まった段階では、史乃エンドであることを前提にストーリーを進めていたでしょう。
大正義うるかの存在
そんな彼女のヒロインの座が危うくなったのは、4話「魚心あれば、天災に[x]心あり」でのことです。
この回で本作の人気ナンバーワンヒロイン武本うるかさんが初登場しまいた。
彼女は恋する純情乙女という属性を巧みに操り、我々ジャンプ読者の心を掴んで離しません。
実際のところ、本作はうるかが出るまで堅苦しい感じがして、読者も取っ付きにくく感じていたでしょう。
彼女はこの作品の雰囲気を変えてしまうような魅力ヒロインです。
うるかの人気のおかげで今の『ぼくたちは勉強ができない』の人気があることは否定できません。
りずりんのピックアップイベント「林間学校編」
コミックス第二巻の「林間学校編」では、ほとんど理珠りんが主役でした 。
理珠りんが成幸に好意を寄せていることがピックアップされた上に、ラッキーキッスというハプニングイベントまで発生。
それ以降、理珠りんの魅力に目覚めた読者が多いためか、理珠りんのメイン回が一気に増えました。
それからというものの理珠りんの人気がぐいぐい上がっていき、彼女のメイン回はアンケートも好調のようです 。
特にメガネが壊れてしまった話なんかは人気があるようですね。
現在WJ本誌では、理珠りん回とうるか回が交互になって掲載されているって状況です。
ダブルヒロインの片方は不遇
漫画に限らずラノベでもアニメでもダブルヒロインやダブルヒーローの片方は「かませ犬」になるのが定めです。
人気というのは非常に残酷なもので、主人公やヒロインが二人いると、どちらかは必ず不人気になってしまいます。
ジャンプでも例外はなく、ToLOVEるの春菜はMOBキャラ化、約ネバのノーマンは○にました。悲しい。
実際のところダブル制度というのは建前で、実質メインヒロインがウケなかった時の補充要員でしかないのです。
自分自身の「属性」の消失
ラブコメにおける「属性」とはそのキャラの個性のことをさします。
例えばうるかなら「恋する純情な乙女」属性ですし、理珠なら「恋心に自覚していない」属性に加え「無口属性 (通称綾波系)」も備えています。
他の作品で例を挙げると、ニセコイのちとげは「ツンデレ」、NARUTOのサクラなら「暴力系」、こち亀の麗子なら「お金持ち」みたいな感じです。
ヒロインレースに勝利して、無事主人公と結ばれるためには、キャラの持つ「属性」でいかに読者を萌え殺して行くのかが非常に重要になってきます 。
ですが文乃は自分自身の持つ「毒舌属性」を取り上げられてしまいました。
その代わりに主人公の相談役ポジションを得たものの、本来主人公の親友がやることですよね。もうヒロインとしては見られていないってことでしょうか。
今回のまとめ
- うるかとの圧倒的戦力差
- 理珠りんの急成長
- 自分自身の人気がうまく伸びない
- ダブルヒロイン制度が悪い
作品のスタイルを見ていると、筒井先生は読者のウケを意識して作品を作り上げて行く計算タイプの作家であることがわかります。
だからこそ不人気なヒロインをレースから脱落させるのを選んだのでしょう。
▼文乃、復活しました。▼
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