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『りゅうおうのおしごと!』10巻感想!「友情」「努力」「勝利」本作の魅力がぎっしり詰まった一冊でした!

注意

この記事には『りゅうおうのおしごと!』10巻のネタバレを含んでおります。

今回はJS研のメンバーが大阪の将棋大会に出場するというストーリーでした。

彼女たちの目の前には、幼い頃の竜王と同じく小学生名人を獲得した逸材であり、プロ棋士の神鍋歩夢の妹・神鍋馬莉愛が立ちはだかります。

そしてあいは、《不滅の翼》という二つ名を持つ岳滅鬼翼という元推奨会員の女流棋士と戦う事になります。

小学生たちに大きな脅威が立ち塞がります。彼女たちはその脅威を乗り越える事が出来るのでしょうか?

まずは小冊子の感想から!

女流棋士の解説

5巻に付属していた小冊子前半は、軽いキャラの紹介とイラスト集だけでしたね。

しかし10巻の小冊子ではキャラの紹介だけではなく、作中に登場した女流タイトルについてまで詳しく解説されていました。

姉弟子こと空銀子女流二冠を始め、女流のタイトルホルダーは作中でも出番が多く、ファンなら誰でも名前を覚えていないなんてことはないと思います。

ですがタイトル戦のルールまで把握するのは難しく、このような形でまとめてもらえると非常にありがたいです

できれば男性のタイトルの方も小冊子としてまとめていただきたいと思いますが、多分そんな企画は通らないと思います。

だってよく考えたら男3人(そのうち一人は後姿のみ)だけの特集なんて、絶対需要ありませんよね☆

女流二冠の姉弟子・空銀子へのインタビュー

今回の小冊子の特典小説では、八一が姉弟子へとインタビューするという内容でした。

そのインタビューは姉弟子を水着にして、あんなことからこんなことまで聞きまくるというもの。

われわれ読者が「ぐふふ」と言ってしまうような質問にも、恥ずかしながらも、きちんと聞かれた内容に答える姉弟子は控えめに言って最高でした!

これぞクズ竜王。「りゅうおうのおしごと!」をしっかりとこなしていきます。いいぞもっとやれ!

八一のペンネーム・間斎(あいだいつき)の秘密

八一のペンネーム「間斎(あいだいつき)」に秘められていた謎が判明した時には、超感動しましたね。全米が涙を流すレベルですよ。

彼の本名は九頭竜八一であり、間斎(あいだいつき)という、一見何も関係なさそうなペンネームにしていたので少し疑問に思っていました。

しかし小冊子後半にて、間斎(あいだいつき)という名前に込められた、「あいだいすき」という深いメッセージを知った時には、全読者が涙を流したでしょう。

主人公のペンネームにこれだけのドラマを組み入れるなんて,,,『りゅうおうのおしごと!』は最高だぜ!

『りゅうおうのおしごと!』10巻の感想!

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あいと澪、そしてJS研の絆

『りゅうおうのおしごと!』10巻テーマは「友情」「努力」「勝利」という、まさに王道!と言ったものでした。

まずは、あいと澪の友情から述べていきたいと思います。

あいにとって澪は将棋でできた初めての友達でした。

初めはお互いに同じ実力だったものの、あいの実力が上がるにつれて澪は置いてきぼりになることになります。

そして今回あいと澪をはじめとするJS研の実力が離れたことにより、亀裂が入ってしまったのですよ。

しかしそれでもなお、将棋でできた絆を失いたくないと思い、必死に努力する澪の姿はとても美しかった。

そしてその澪を応援すべく、綾乃は大声で悔しがるという形で声援を送ります。あの大人しい綾乃は本来ならば絶対にやらないような行為です。

その声援により澪は執念を発揮して、本来であれば絶対に勝てないであろう強敵・馬莉愛をも打ち破るのです

そしてその勝利がきっかけで、あいとの亀裂も解消されて、もとの中の良いJS研に戻りました!めでたい!

やはり馬莉愛は強敵であり、澪だけの実力では勝てなかったと思います。澪の勝利はJS研のみんなが呼び寄せたものなのです!

やっぱり小学生って最高だな☆

影でJS研を見守る天衣にも注目!

天ちゃんの愛称で知られる竜王の2番弟子・夜叉神天衣は、10巻ではそこまで出番がなかったものの、ストーリーにおいて重要な役割を持ちます。

彼女はあいの親友である澪の力になるべく、「ぶらっくきゃっと」というハンドルネームで将棋ゲームにもぐり、澪の練習相手になってくれました。

天衣がこのようなことをした理由は、おそらくあいが澪のためにお願いしたというものだと予想できます。

よく考えたら、天衣は将棋に対してストイックであり、自分の利益になる事以外は行わない人物のはずです。昔の天衣なら澪の指導なんて絶対に行わなかったと思います。

そんな天衣が澪に協力したということは、澪やJS研の夢に対する努力や実力を認めていることの証明だと言って良いでしょう。

姉弟子ィ!

「お願いーーーーー私を殺して」

姉弟子ィィィィィィィ!!!!

まさかの急展開でした。後で詳しく述べます。

10巻の詳しい解説と考察

不滅の翼は姉弟子の未来の可能性のひとつ

今回あいの目の前に立ち塞がった強敵・岳滅鬼翼は元推奨会3段でした。

翼は推奨会に入るまでは姉弟子と同等の才能を持っていたものの、3段リーグという闇の中で戦う内に、自分の棋風が変化していき、徐々に歪な棋風になってしまったのです。

作中の挿絵で見てもらえば分かるように、翼からはこの世に絶望しきったような暗い雰囲気が漂っております

作中では八一は姉弟子の棋風はオールラウンダー寄りなので、翼のようにはならないと言っています。

しかし今回の「私を殺して」というセリフから分かるように、姉弟子は3段リーグの闇の毒されております。翼のような廃人になる一歩手前の状態です。

プロ棋士という夢を抱いた《不滅の翼》のなれの果ての姿は、姉弟子の未来の可能性の一つを示しているのではないでしょうか?

どちらにせよ次巻のテーマは姉弟子が現在直面している、3段リーグ闇になると思います。

姉弟子は3段リーグ闇に対してどのように立ち向かうのでしょうか?

また3段リーグの強敵を倒し、八一と同じプロ棋士になるという夢は叶うのでしょうか?

あいVS翼戦での、あいの覚醒について

翼は3段リーグの闇に晒されるの事で得た、千日手になることを厭わない普通の棋士なら絶対に行わない戦法を使うことから、作中で深海魚であると例えられていました。

しかしわたしは翼は深海魚などではなく、朽ちることの無い《不滅の翼》を持つ、気高き棋士だと思っています。

その証拠に彼女の千日手前提の戦法から、勝利への願望の高さが読み取れ、その意志だけは決して消えることの無い「不滅」の物であると読み取りました。

しかし翼があいと戦ったことにより、あいに自身の象徴である《不滅の翼》を奪い取られ、勝利への執念まで消してしまうことになります。

その証拠に翼は、あいに《不滅の翼》が生えたような錯覚を覚えて、自身も本当の死を実感してしまいます。

あいと戦った後の翼はその勝利への執念を仲間から讃えてもらったものの、3段リーグの闇で得たものは失ってしまったはずです。

わたしはあいVS翼戦を観て、あいは自身の持つ圧倒的な才能を使い、他の棋士の才能である《不滅の翼》を奪ってしまったと解釈しました。

推奨会員である《不滅の翼》は死んでしまったものの、翼は自分の周りに多くの仲間がいることを実感します。

女流棋士としての翼の戦いはコレカラ始まるのです!

あいの二つ名《竜王の雛》について考察

今回あいにも《竜王の雛》という二つ名がつけられるようになりました。

おそらく竜王の八一の弟子であることと、自身の名字が雛鶴であることから、このようなネーミングになったのでしょう。

妹弟子の天衣が《神戸のシンデレラ》、叔母弟子の銀子《浪速の白雪姫》という二つ名だったので、あいの二つ名も童話をモチーフにしたものになると思っていたので意外でした。

この《竜王の雛》という二つ名ですが今後の展開を予想できる要素が入っていた為、軽く考察していこうと思います。

「雛」という文字が取られていることから、今後成長して一人前になったら、親 (みたいなもの)である八一の元から離れることが示唆されております。

では、あいが八一の元から離れるタイミングはいつになるのでしょうか?それはあいが竜王になる時だと思います

《竜王の雛》という名前から、現在のあいは八一の保護を受けないといけない状態であることを表し、それと同時に「雛」の状態から成長したら場合竜王になることを示唆していると考えています。

また竜王戦はプロ棋士のみならず、アマチュア棋士でも女流棋士でも参加することができる唯一のタイトル戦なのです。

(もっともプロ棋士とその他の棋士とでは強さがかけ離れておりますが。)

今回あいが翼との戦いで得た能力は終盤の無限の可能性。

その能力が完全に開花すれば、師匠である八一を倒して竜王になるということだってあり得るはずです。

そういえば本作1巻の冒頭シーンは、八一が自分の師匠である、清滝鋼介に勝利した場面でした。

あいも最終的には竜王戦で八一に挑戦することになり、八一に勝ち竜王のタイトルを獲得するのではないかと考えました。

歩夢の妹・神鍋馬莉愛について

今回澪の前に立ちはだかった、のじゃロリ小学生・神鍋馬莉愛。八一の親友・神鍋歩夢の妹であります。

馬莉愛の将棋の才能は高く、女子でありながら小学生名人の称号を獲得するほどです。

わたしが気になったのは、名前に「愛 (あい)」という文字が入っているという点です。

あいといえば八一の弟子である、雛鶴あいと夜叉神天衣を思い浮かべてしまいますね。

馬莉愛は女流棋士ではないものの、才能的にいえば竜王の弟子たちと同等のレベルにあると思います。

そして釈迦堂さんと歩夢により、竜王の二人の弟子と同じぐらい大切に育てられております。

それ故に彼女の師匠は八一ではありませんが、釈迦堂さんとの兄の歩夢の、二人の棋士からの寵「愛」を受けた、3人目の「あい」だと言っても良いですね。

馬莉愛はプロ棋士になるという夢に挑戦しますが、同じ夢を見る銀子を見ているとその道は決して平坦なものではない事がわかります。

彼女は過酷な運命にどのように立ち向かうのでしょうか?

二冠となった”コンピューターに負けた棋士”於鬼頭曜

於鬼頭曜は”コンピューターに負けた棋士”という二つ名を持つ棋士です。

コンピューターとの対局で負けたのがきっかけで、人間同士で行う研究会を一切行わなくなり、代わりに人工知能を使用した将棋の研究を行うようになりました。

その結果、八一やあいに振り飛車を教えた師匠である捌きのマエストロこと生石充を打ち破り、彼の持っていた「玉将」のタイトルを奪取します。

作中では於鬼頭さんが不正を疑われるレベルで強すぎるので、あるルールが追加されることになりました。

そのルールとは、対局中にスマートフォンなどの電子機器の使用を禁止するというものです。

フィギュアスケートなどの五輪で行われるようなスポーツなどでは、特定の選手が強すぎるために、新しいルールを作ることになることが何度も起こります。

もちろん於鬼頭さんが不正をしているとは思えませんが、彼が強すぎるので他の棋士を守るためにも対策をせざるを得なかったという感じでしょう。

於鬼頭さんの圧倒的な強さは、将棋のルールを変えるような異常なレベルです。

竜王戦第四回戦目で前代未聞の引き分け、将棋の指し直しを行なった、八一と名人と同等の影響力を持っていると言っても良いかもしれません。

今回、八一が於鬼頭さんのタイトル「帝位」に挑戦する可能性があることが示唆されていました。おそらく八一は於鬼頭さんと戦うことになると思います。

二人は将棋のルールを凌駕するほどの力を持つ棋士同士です。もし二人型買うとなれば、作中の展開やテーマ性にも大きく影響を与えるはずです。

将棋星人の八一VSハイパーインテリジェンスなスーパーAI・於鬼頭さんとの対局は、どのようになるのでしょうか?

最後に

これにて『りゅうおうのおしごと!』10巻の感想のぜんぶです。

この記事書くのに半日かかったのだが、、、。

近いうちに起こりそうなイベントといえば、以下のような感じですね。

  • 姉弟子と3段リーグの闇
  • 八一VS於鬼頭さんによる「帝位戦」

あいVS釈迦堂さんのフラグも立っていましたが、もうちょっと先になると思います。

次の展開などを予想すると、ワクワク感が止まらなくなります。次巻の刊行が楽しみです。

『りゅうおうのおしごと!』は最高だぜ☆

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