(そうか、こいつ、『少しの理解である程度最初からミスなくできちゃう起用タイプ』か!)
それとは正反対の、『どんなに頑張ってもとりあえず全ての地雷を踏みぬいて一通りミスしないと身につかない不器用タイプ』であるアリナは、ギリ、と奥歯を噛みしめた。
今回紹介する『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』のヒロインであるアリナさんはこんな子です。
とくに『一通りミスしないと身につかない不器用タイプ』というのが親近感がわきます。
このサイトの管理人はライターやっており、初めのころは色々なミスを連発した記憶があります。(締め切りは破っていません。)
またこのサイトの操作を誤って、サーバーのデータが消えてしまうミスを2回やらかしたこともありました。
思い出してくるとなんだか頭が痛くなってきますね。
この記事を読んでいるあなたも、仕事でミスしてしまって嫌な思いをしたことがあるはずです。
本作は残業嫌いのヒロインが、労働時間を減らすためにボスモンスターをぶっ倒していく異世界コメディー作品になっています。
読んでいると仕事での嫌な思いが吹っ飛び、スカッとした気持ちになります。
仕事が嫌な人。そして働きたくないと考えている人なら絶対にハマってしまうような一作になっています。
仕事が好きな人間はごく少数だと思うので、全人類ハマれるような作品ですね。
イラストも素晴らしい
本作のイラストを担当されているがおう先生は、vtuberのイラストを中心に活動しているイラストレーターさんです。
ホロライブプロダクションの港あくあさんのデザインが有名ですね。
女の子の質感がとても素晴しい神絵師であり、イラストをみているだけでも、女の子特有のぷにっとした触感を感じることができます。
イラストを視覚で捉えただけで、触感が刺激されるってやばくないですか?
本作の表紙のイラストを見た時も、ヒロインのアリナさんの可愛さが十二分に伝わってきました。
また彼女の肌のぷにぷに感も感じ取ることができ、まるで二次元の彼女が現実世界にいるような錯覚を感じます。
ヒロインのアリナさんについて
まずはこの作品を語るにおいて避けては通れないのは、ヒロインのアリナさんの魅力でしょうね。
本作の面白さ=彼女の魅力といって良いでしょう。
アリナさんは残業が嫌いであるため、その元凶であるボスモンスターを撲殺していきます。
彼女は誰もが憧れる最強のヒロインですが、全読者が共感できるような親近感を感じる素敵な女の子でもあります。
仕事が出来ない
この記事の冒頭でも述べたように、アリナさんは仕事ができないタイプの女の子。
作中で誰かから「あいつは仕事ができない」と言われたわけではありませんが、彼女の仕事をしているシーンを見ると「そういう感じの子なんだ~」とおもわずにはいられませんね。
たとえばデスクワークでの書類のお仕事。
アリナさんは夜遅くまで残業をして、必死になって大量の書類を処理しています。
とある縁にて、トップギルド《白銀の剣》のリーダーを務めるジェイドが書類を手伝ってくれるのですが、彼はアリナさんが手こずっている書類を高速で仕上げます。
ちなみにジェイドくんは冒険者一筋であり、デスクワークの仕事をやったことはないようです。
一方でアリナさんは書類の仕事が終わらないので、夜遅く残っています。
、、、
ジェイドくんができる人間ということが分かりますが、一方でアリナさんがポンだということも同時にわかりますね!
アリナさんのポンっぷりをコミカルに描いているので、クスリと笑えるうえに、労働をしたことのある人なら「自分にもこんな時代があったな」と自己投影して親近感が湧いてきます。
だけど強い
仕事面ではポンコツのアリナさんですが、非常に高い戦闘能力を有しています。
どのくらい強いのかといいますと、一流の冒険者を何人も集めないと勝てないようなドラゴンやボスモンスターをワンパンしてしまうほどです!
先ほどちらっと述べたトップギルドのリーダーであるジェイドくんはトップクラスのタンク役。作中の冒険者の中でトップクラスの防御力があります。
彼ですら、アリナさんの攻撃を完全に受け止めることができません。
そんなアリナさんが巨大なハンマーを振り回し、ボスモンスターを瞬殺している姿をみると、とってもスカッとしますね!
非常に共感できる
そんなアリナさんの戦う理由が何か、わかりますか?
少年漫画にありがちな「世界を救う」とかではありません。
彼女が戦う理由、それは、、、。
残業がしたくないから!です!
初見では何を言っているのか分からないという人もいるかもしれないので、補足しておきます。
アリナさんの仕事は、冒険者ギルドの受付嬢です。
冒険者ギルドは、冒険者たちがクエストを受注するために訪れる場所。
ダンジョンの攻略が遅れたり、ボスモンスターを倒すのに手こずっていたりしていると、ギルドの受付嬢の仕事が増えてしまいます。
ボスモンスターを倒す=仕事が減る=残業がなくなる
なのでアリナさんは、自分が残業がしたくないために、ハンマーを振り回しボスモンスターを殴り倒していくのです。
ストーリーがどれだけ進んでも、アリナさんの残業がしたくないという意思は全くブレず尊敬の念を抱かずにはいられません。
現代社会において労働というのは悪です。わたしは残業なんて出来るのであればやりたくありません。
きっとこの記事を読んでいるあなたも残業中に「こんな仕事だるいな。早く終わればいいのに。」と思ったことはあるはずです。
残業がしたくないという動機はバカバカしく思うこともありますが、その思いは全労働者が抱える思いであります。
アリナさんの戦う理由は、労働経験のある人ならだれでも共感できるものであるため、読んでいると自然にアリナさんに共感してしまうのです。
最後に
今回は『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』を紹介しました。
ヒロインのアリナさんのポンコツっぷりをみてほっこりできる上に、持ち前の戦闘力でボスモンスターをボコボコにしているカッコよさを見ると非常にスカッとしますね。
仕事や残業が大っ嫌いで、ストレスを抱えているあなたにおすすめしたい作品になっています。
ぜひ手に取ってみてください。
これはこの文章を完成させるために、必死になってタイピングをしている最中の出来事。
著者の香坂マト先生にツイッターに投降したファンアートに対して、コメントをもらいました。
うれしいです。
文章からも喜んでいる感情がダイレクトに伝わってくるので、描いてよかったなと思いました!