最近のコミカライズはクオリティが非常に高く驚いています。
ぼくは漫画のコミカライズはテンポが悪い作品が多いイメージがありなかなか手を出そうとは思えませんでした。
ですが、近年では非常にクオリティの高いコミカライズの漫画が量産されるようになりました。
中には本当にどうしようも無いものもありますが、どれも一定以上のクオリティがあり、オリジナルの漫画とも引けを取らない出来のものばかりです。
そんな中、今回感想を書くのは漫画版『俺を好きなのはお前だけかよ』1巻の感想です。ちなみに原作は未読です。
目次
原作と比べると絵のクオリティは劣るが、面白い漫画になっている。
↑こちらが原作絵です。ちなみに『はがない』などで知られる人気イラストレーターのブリキさんが手がけています。
正直に言いますと、絵に限って言えば漫画版は原作に劣っていますが、漫画としてのクオリティはとても良いです。
通常のコミカライズだと文章量が多くなりがちになり、漫画として読みにくくなってしまいます。
ですが、この作品の場合だと適度に文章量の調整がされているので、展開が分かりやすい上にスラスラとページをめくることができます。
それにキャラクターの恥じらう姿など、色々な表情が上手く、それだけでもニヤニヤできますね。
ハーレムラブコメの定番を破壊。
漫画やラノベのラブコメでは、主人公一人に対して複数の女の子が好意を寄せているハーレム状態になっているのが普通です。
マンガ界では『かぐや様は告らせたい』や『からかい上手の高木さん』などハーレム状態ではない作品が増えています。しかしライトノベルだと、今でもハーレム文化が根強く残っています。
そんな中、本作はヒロインの女の子二人が、主人公の親友に惚れているという、ラブコメとしては極めて異質な作品です。
メインヒロインは不人気属性てんこ盛り
ヒロインたちが主人公に興味を見せない中、唯一主人公に惚れている女の子が三色院菫子 (通称パンジー)です。
- メガネ
- 三つ編みおさげ
- ロングスカート
- 図書委員
- ストーカー
など普通ならメインヒロインとして選ばれないような属性ばかり揃えています。ちなみにジャンプ系列の作品だと黒髪ヒロインは不人気 です。(ソースは『ぼくたちは勉強ができない』)
毒舌属性持ち。主人公の心の声を読み取り、すぐに「キモッ!」とキツイ一言をかまします。この人、本当に主人公に好かれたいのですかね?
主人公に惚れているのに顔を赤らめたりドキドキしたりする描写は全くありません。「お前本当にこいつのこと好きなの?」と疑問に思うレベルです。
甘ったるいラブコメばかり見てきたジャンプ読者に”毒舌”のような上級者向け属性の耐性はありません。きつめのツンデレ程度がちょうど良いです。
主人公クズすぎ
こいつ自分のことしか考えてねぇ!(怒)
主人公である如月雨露 (通称ジョーロ)は自分をハーレム物の主人公だと勘違いしている痛い高校生です。
ヒロイン二人が自分に気がないと分かると、ヒロインの片方を強引に失恋させ、その心の傷に漬け込んでゲットしようとする、クソみたいな作戦を実行しようとします。外道ヤローです。
本作を好きになれるのかは、このクズすぎる主人公をどこまで許せるかにかかっているでしょう。ちなみに僕にとっては許容圏内です。
『俺を好きなのはお前だけかよ』のコミカライズについてのまとめ
- クオリティが高く、
- ラブコメとしては異質の作品で
- 主人公クズ
って話でした
ジャンププラスにて3話まで無料で掲載しているので、気になった方はぜひ見てください。
ちなみに単行本にはジャンププラス掲載のおまけ小説はついてきませんが、その代わりにコミックス書き下ろしのラッキースケベ漫画が載っています。