『約束のネバーランド』はたまに”命”テーマを振り返るような話を持ってくるからずるいと思います。
本作は人食い鬼たちと人間との頭脳バトルが魅力的な作品でありますが、同時に「命とは何なのか」を考えさせるような内容になっています。
主人公のエマはみんなと一緒に生き延びる為に人間の世界に帰ろうと必死に努力していますし、今ゴールディポンドで共闘している仲間たちも「生き延びたい」という一心で戦っています。
そんな中敵であるはずの鬼ノウマが死んだ事で、今まで人間を狩り命をないがしろにしてきた”鬼”にも仲間の命を大切にする心があったんだなと痛感します。
ノウスとノウマとは
ゴールディポンドにて疑似的な狩を楽しみとする男女二人組の貴族の鬼で、男の方が”ノウス”女の方が”の”ノウマ”です。
基本的に二人一緒に行動して意思疎通をしながら狩をしていくのでコンビネーション能力は抜群です。その優れた連携能力を活かしてエマたちを追い詰めていきました。
鬼は非人道的なものとして描かれていた
前回行われた部下を連れた鬼の”ルーチェ”戦を見てもらえば分かるように、ゴールディポンド編では一貫して鬼は人間の命を弄ぶ最低な輩として描かれていました。
そもそもゴールディポンドとは現代でいうスポッチャやボーリング場のような娯楽施設で、農園から人間を入荷して”約束”の締結によって出来なくなった狩ができる場所です。
一応この施設の人間は鬼から銃などの武器が与えられますが殺傷能力が低いものばかりなので、鬼に致命傷を与えることができません。エマたちは鬼が遊ぶためオモチャとして連れて来られたのです。
なので”ルーチェ”戦戦では出来るだけ鬼の非人道的な部分を描写して、倒した時に読者がスカッとするような構成になっていました。
僕も読んでいて気持ち良かったです。
ノウマの死によって変化が
そんな冷徹で残忍な鬼たちですが”ノウマ”が遠距離射撃により弱点である”目”を撃ち抜かれて死んだことによって一転。
ゴールディポンドの子供たちは誰よりも鬼たちのことを憎んでいるものの、鬼によって同胞を殺され続けられたので仲間を失う喪失感を誰よりも知っています。
本当ならすぐに”ノウス”も殺すべきなのですが彼の仲間を失った気持ちに同情してしまい、すぐには動けませんでした。
鬼も命を大切にしている
冷徹で残忍な存在として描かれた鬼たちですが、エマたち人間と同じく”命”を持っており仲間をいたわる気持ちを持っています。
本作のテーマは”頭脳戦”など色々とありますが、本作で一番伝えたかった事は”命とは何か”だと考えています。
エマたちがグレイス=フィールドから脱獄したのは家族や仲間達と一緒に生き延びる為です。人間にとっても鬼にとっても命というのは尊いもので仲間に「生きて欲しい」と思う気持ちは同じなのです。
まとめ
ゴールディポンドという施設は鬼たちが”約束”を結ぶ以前の人間を狩っていた時代を思い返すための娯楽施設です。
今回の『約束のネバーランド』を読んで”鬼”にも仲間を思いやる気持ちがあると考え記事にすることに決めました。いかがだったでしょうか?
余談ですがノウスとノウマがゴールディポンドに居るのは、ただ人間をいたぶって楽しむだけではなく、仲間として親睦を深めたかっったからではないでしょうか?
最後まで読んでくださりありがとうございます!