どうやらライトノベル『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! 』が終了したようです。
なんでなんだアアアアアアアアッ!!
はい。今年いちばんの衝撃です。と言いましても今年は始まって1日しか経っていませんが。
このブログには書いていなかったものの、わたしはこのシリーズが刊行した当初ぐらいから応援していて、いつかアニメになるだろうと勝手に妄想していました。
しかし電子書籍ストアbookwalkerを見ていると、絶望しましたね。なんて人生は理不尽なんだろう。
その話はひとまず置いて、本作の感想でも書いていきま→しょう!
目次
結局作家物は受けなかったのか?
本作は主人公が出版業界で働く様子を描いた、いわゆる「作家物」と呼ばれるジャンルの作品。
「作家物」にはラノベ作家の主人公がイラストレーターの妹とコンビを組んでアニメ化を目指す『エロマンガ先生』や、ヘンタイ妹好きラノベ作家の日常を描いた『妹さえいればいい。』など数多くの作品が存在しております。
最近、アニメ版が作画崩壊しまくっていると話題になった『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』も作家物の作品でしたね。原作は面白いのでぜひ見てください。
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アニメしか見ていない人にはいまいちピンとこないと思いますが、これらの「作家物」の作品は読者からも好評を得ており、書店に行ったら平済みで置いてあることが多くあります。
ですので、本作もこれらの作品と同じようにヒットをして、アニメ化までこぎつけると思っていましたが…クソ!なんでだよ!!
作家物は「小説家」という職業を題材にしている分、ラノベ読みや小説読みには親しまれていたと思います。
しかしアニメを見る人の中でもライトノベルを読む人はかなり少なかったようで、作家物はアニメファンにはなかなか定着しなかったようです。
おそらく本当にアニメしか見ない人は、ライトノベル=異世界転生というイメージが強くて、作家物が流行っていたという事実を知らないと思います。
本作のキーキャラクターについて
まずは本作の最終章にて時に活躍したキーキャラクターについて軽く振り返ってみましょう。
最終巻のボスキャラクターのカリスマ編集・鳴海流生
今回の敵キャラとして登場した業界最強のカリスマ編集者・鳴海流生。
無邪気な性格であり、自分の興味ある人間に対して積極的に関わり、時にはスカウトとして編集部に招き入れることもあります。
また編集として作品を大切にしており、常に作品のことを最優先に行動します。
その証拠に光星天花などの才能を持つクリエイターに対して、他のレーベルの2倍の原稿料を払うことや、週刊少年誌のように契約料を払うなどをして作家に対して破格の待遇を用意し、モチベーションを上げるための努力を惜しみません。
自身の能力も優れており、彼と会話したクリエイターはアイディアがたくさん思いつくようになり、会話する前と比べて自分の実力が上がることを実感するのです。
一方で自分の野望である「究極の創作物」を手がけるという夢のためなら手段を選ばないことも。
例えば黒川を天才小説家・棗ソウスケとして復活させるために、天花にその正体をバラすと言う悪行まで行いました。
鳴海は「面白い作品を作る」という編集者としては正しいことをするのですが、その行動を見ていると違和感を感じてしまいます。
天才美少女作家・光星天花
本作『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! 』を語る上で最も欠かせない人物といえば、美少女女子高生作家である・光星天花でしょう。
彼女は自分の経験したことしか書けないと言う弱点があるものの、描いた小説はどれも面白く多くの人を魅了します。
そんな天花ですが最終巻では鳴海の「作家にアイディアを湧かせる能力」によって、日常生活に支障をきたすほどに小説を執筆してしまうようになってしまいます。
『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! 』のテーマは究極の創作物
わたしはライトノベルの作家物の最大の良さといえば、コメディ的な要素と深いテーマ性を両立しているところだと考えております。
ここでアニメ化した作家物の作品である『エロマンガ先生』のテーマについて振り返って見ましょう。
『エロマンガ先生』のテーマは「絆」でしょう。主人公が小説を書くという仕事を通じて、妹をはじめとした家族や同業者のラノベ作家との絆を育む過程は感動せざるを得ませんね。
本作も『エロマンガ先生』と同様にテーマが設定されております。そのテーマというのが「究極の創作物とは何か」というものでした。
いったい「究極の創作物」とは本当に存在するのだろうか?
作中ラストにて主人公の黒川清純は小説家棗ソウスケとしての才能を取り戻し、「究極の創作物」を完成させたのちに小説家ではなく編集者として生きていくことを決心します。
それと同時に天才作家である天花も「究極の創作物」を完成させるものの、自身の黒川への好意を綴ったものだから世の中の出すのが恥ずかしいという理由で、自身の描いた「究極の創作物」を小説として刊行しないことにしました。
本作で描かれた「究極の創作物」と同じクオリティの作品を、わたし達が見る機会は訪れるのでしょうか?少し考えてみたいと思います。
条件①作者が描きたいと思って書いていること
まず「究極の創作物」の第一条件として、筆者本人が描きたいものを書くのが条件として当てはまってくると思います。
作中で登場したクリエイター達が活動する理由は金でも名誉でもなく、心の底から自分たちが小説を描きたいと思っているからというものでした。だからこそ人の心を震わせるような作品を書くことができたのだと思います。
ラストにて黒川が小説を執筆した理由は、天花を正気に戻すためでしたが、最終的には自分が本当に書きたい物語を見つけ出し、それを執筆することで「究極の創作物」を生み出すことに成功します。
そのほかの「究極の創作物」の条件として、黒川の描いた小説のように多くの人の心を震わせるというものが与えられていました。
条件②時代の変化を取り入れた要素が入っている
あくまでわたしの考えですが、時代を変化する上で新しく増えたような要素が必要だと思います。
それらの要素というのはスマートフォンのように、ある時に彗星の如く登場して、いつの間にか我々の生活に欠かせなくなったようなものになるはずです。
時代の変化と共に新しく増えた要素であれば、他の作品で取り上げていることが少なく、差別化も容易にできると思いました。
その上、我々の生活の一部になっているような要素であれば、それを使っている主人公たちにも共感しやすくなり、多くの人の心を掴むのではないかと考えます。
例えば今ライトノベルでは主人公がRPGの世界のようなファンタジー世界に飛ばされる「異世界転生」というジャンルが流行っています。『この素晴らしい世界に祝福を!』などが有名ですね。
これらの「異世界転生」物が受けたのは、ライトノベルの読者層とRPGをやっていた層が一致して、共感しやすい内容になっていたのが大きな要因になってきます。
ですので多くの人を魅了するであろう「究極の創作物」の条件には、時代の変化と共に新しく増えた要素が入ってくると思います。
まとめ
今回は『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! 』全5巻を読んで思ったことをまとめてみました。
「究極の創作物」をテーマにした物語は、ライトノベルなどのサブカルを愛する人なら誰しもが考えさせられるようなものばかりになっております。
皆様も是非読んでみてください。
最後に。
「ソレイユさんガヷイ゙イ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ッ!!」
以上。
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