この記事には『Fate/staynight』のネタバレを含みます。
ギルガメッシュとランサー(クー・フーリン)の共通点といえば、マスターが第五次聖杯戦争の監督役である言峰綺礼という点ですね。
言峰はランサーのマスターを襲い、ランサーのマスター権を得たことから、ランサーに快く思われていません。
ギルガメッシュは実力の高いサーヴァントであるものの、それゆえに戦闘にて本気を出すことは滅多になく、常に慢心した状態で戦います。
セイバールート『Fate』にてランサーは、言峰に捕まった士郎を逃がすためにギルガメッシュと戦うことになりました。
今回はギルガメッシュがランサーと戦った時に、本気を出していたのかどうかについて考察したいと思います。
目次
セイバールートにて二人が戦うようになった理由
セイバールート『Fate』の終盤にて、ギルガメッシュとランサーが戦うようになった経緯を振り返っていきたいと思います。
本作の主人公である衛宮士郎は聖杯戦争の監督役である言峰なら、ギルガメッシュについての対策案を何かしら用意しているではないかと思い、単身で彼のいる教会へ向かいます。
協会にたどり着いた士郎は、言峰がランサーのマスターであり、自身も聖杯戦争に参加していると聞かされます。その後ランサーに心臓を貫かれてしまうのです。
ランサーの槍ゲイ・ボルクは因果を逆転させる”原因の槍”とも呼ばれており、その槍によって生まれた傷は以下の方法でしか癒せません。
- 非常に高い幸運を持つ
- 全て遠き理想郷(アヴァロン )などの呪いも治癒できる宝具を使う
- ランサーを倒す
士郎を助けに教会へやって来たセイバーは、彼を助けるためにランサーと戦いましたが、言峰によって戦闘を中断させられます。
士郎は全て遠き理想郷(アヴァロン )という、セイバーの側にいるだけでどんな傷でも治すことができる宝具を所持しています。
セイバーは全て遠き理想郷(アヴァロン )の能力が発動して士郎が回復したことを確認したのち、ランサーとの戦闘を再開しようとします。
そんな時に言峰はランサーに戦闘を中断させ、士郎とセイバーとランサーの3人に自分の切り札であるギルガメッシュ紹介します。
ランサーはその時に初めて、言峰とギルガメッシュが手を組んでいたことを知り、彼の存在を黙っていた言峰に怒りを覚えます。
そのことがきっかけでランサーは言峰と手を切ることを決心し、彼の命令を無視してギルガメッシュと戦い、士郎とセイバーを協会から逃がしました。
結局ランサーはギルガメッシュに敗北してしまいます。
ちなみにランサーの「くだらねえコトなら口にするなよ。別に貴様に肩入れしている訳じゃねえ。オレは、オレの信条に肩入れしているだけなんだからよ」という名言はこの時に言ったものでした。
ギルガメッシュを本気にさせる方法
ギルガメッシュの宝具・王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)には、あらゆる宝具の原型がになる武器が入っています。
その中にはランサーの槍であるゲイボルクも存在していました。
ギルガメッシュは王の財宝の中にある宝具を射出しているだけで、ほぼ全てのサーヴァントに対して圧勝することが出来ます。
ですのでギルガメッシュが本気を出すのは、基本的に自分が認めた相手と戦う時のみであり、常に慢心状態で戦闘を行います。
そんなギルガメッシュを本気にさせるのは困難を極めます。
彼を本気にさせる方法として以下のような物が挙げられますが、ランサーにそのような手段はあるのでしょうか?
- 非常に強力な宝具や固有結界を見せる
- 優れた人格を見せる
非常に強力な宝具や固有結界を見せる
本作の主人公である衛宮士郎は、この方法でギルガメッシュを本気にさせています。
彼は無限の剣製(アンリミテッドブレードワークス)という、無限の剣を内包した世界を生み出すことが可能です。
それによって士郎は、目視した武器を複製することが出来ます。王の財宝により大量の宝具を射出するギルガメッシュにとって士郎は、相性が最悪な相手のひとりです。
凛ルート『UnlimitedBladeWorks』にてギルガメッシュは、士郎相手に本気を出さないといけないような状況まで追い込まれたものの、本気を出すのが遅かった為に敗北しています。
優れた人格を見せる
「騎士王」アルトリア・ペンドラゴン (セイバー)は生前、自身の幸せよりも他人の幸せのために戦っていました。
「英雄王」であるギルガメッシュは同じ「王」でありながら、自分とは真逆の生き方をするセイバーに興味を持ち、やがてセイバーは自身が本気を出す相手であると認めます。
彼女と戦った際には、ギルガメッシュが本気を出した時しか使わない、空間を切断する程の強力な宝具・乖離剣エアを使用しました。
ギルガメッシュが本気を出すのは、非常に強力な宝具や固有結界を使われた時か、優れた人格を見せられた時のみです。
ギルガメッシュはランサー相手に本気を出していたのだろうか?
今からギルガメッシュがランサーと戦った時に、本気を出していたのか考えていきます。
ランサーには王の財宝が通用しないのでは?
ランサーは遠距離からの武器の投擲、射撃を無効化するスキル・流れ矢の加護を所持しています。
桜ルート『Heaven’sFeel』のみ登場するサーヴァント・真アサシン (呪腕のハサン)は、ランサー相手に短剣を投げたものの、そのスキルの影響で攻撃が通る事がありませんでした。
ランサー相手に遠距離から攻撃する為には、非常に強力な宝具で攻撃する必要があります。
ギルガメッシュはランサーのスキル・流れ矢の加護を無視して攻撃できるような宝具を所持していると思いますが、その数は決して多くはないと思います。
その上ランサーの敏捷値は非常に高いです。ギルガメッシュが流れ矢の加護を無視するほど強力な宝具を使用しても回避されてしまう恐れもあります。
ランサーは飛び道具を無効にするスキル・流れ矢の加護を所持している上、敏捷値が高くなっています。
ですのでギルガメッシュが王の財宝で宝具を打ち出したとしてもランサーに当たらない可能性が高そうです。
ギルガメッシュはあまり疲労を追っていなかった
セイバーはランサーの宝具・刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)を受けて致命傷を受けてしまいます。
ランサーの槍には呪いがかけられており、その槍の攻撃によって生まれた傷は治すのが困難です。
セイバーはランサー戦の直後にバーサーカーとも戦う事になるのですが、ランサー戦で負った傷の影響でバーサーカー相手に遅れをとってしまいました。
普通ならランサーと戦った後のギルガメッシュも、セイバーと同じく致命傷を負っており戦闘に支障が出るはずです。
しかしセイバールートの最終決戦でのギルガメッシュには、ランサーと戦った後のセイバーほどの傷を負っていなく、万全の状態に見えました。
このことからギルガメッシュにはランサーの攻撃があまり通用しなかったということが読み取れますね。
ギルガメッシュは宝具の原点になる武器が保存してある宝物庫・王の財宝を所持しています。
ランサーの槍の呪いを解除するような薬や、宝具を防ぐための守備専用の宝具などを持っていても不思議ではありません。
ランサーの目的は時間稼ぎ
ランサーがギルガメッシュと戦う理由は、自分のマスターである言峰に捕まった士郎を逃がすためでした。
もしランサーがギルガメッシュに乖離剣エアを使われ、一瞬で戦闘を終わらせられたりしたら、士郎とセイバーの二人はギルガメッシュに追われる事になります。
ですのでランサーは戦闘でギルガメッシュに勝つことよりも、戦いを長引かせて時間稼ぎをする必要がありました。
ギルガメッシュはランサーの事を真名で呼んでいた
ギルガメッシュは実力のない人間やサーヴァントのことを見下しており、自分が認めた相手以外を「雑種」と呼び捨てます。
「なるほど。死に際が鮮やかだった男は言う事が違う。この裏切りも、英霊とやらの誇りとやらにそった物か。
まったく、己が信念を貫くのは難しいな、ランサー」
このセリフは、ランサーがマスターである言峰を裏切った理由を言った後に、ギルガメッシュが放った言葉です。
ギルガメッシュはランサーの意志の硬さを認めて、彼のことを「雑種」ではなく「ランサー」と呼んでいます。
言ったであろう?貴様がそうしなければ我 (オレ)がそうするつもりだったと。
褒めてやるぞクーフーリン。これは、我にとって理想の展開だ」
ランサーとギルガメッシュの戦闘が始まる直前、ギルガメッシュはランサーの事を真名である「クー・フーリン」と呼んでいました。
この事からギルガメッシュはランサーの事を、敬意を持って接するべき強者だと認めている事が分かります。
ギルガメッシュは自分が認めた強者には最大限の敬意を払う人物です。ランサーと戦闘を行った際には本気を出していたはずです。
またランサーには「おまえは全員と戦え。だが倒すな。一度目の相手からは必ず生還しろ」という令呪の縛りの中、全てのサーヴァントと引き分けた実績があります。
ギルガメッシュはその情報を知っており、ランサーに出会う前からその実力を高く評価していたのではないかと考えました。
まとめ
ランサーは飛び道具を無効にするスキル・流れ矢の加護と、高い敏捷値を兼ね備えたサーヴァントでした。
ギルガメッシュが王の財宝で攻撃しても、通用しない可能性も考えられます。
彼がランサー相手に攻撃を当てようと思ったら、ランサーが回避できないタイミングで乖離剣エアを使うのが手っ取り早いです。
その上ギルガメッシュはランサーの実力を高く評価していたので、戦闘を行った際に本気を出していたと予想しました。