首が落とされてもなお生命を維持し続けた上弦の壱”黒死牟”。
そんな彼ですが、弱点である首を克服するのではないかと思ったのですが、そんなことはなく消滅してしまいましたね。
彼の弟である縁壱が日の呼吸の使い手であり、炭治郎と共通点があったので何かしらの絡みがあると思ったのですが…。
時透無一郎と不死川玄弥が死亡ほぼ確定…
その話は置いておいて、タイトルにも書いた時透無一郎と不死川玄弥について書いていこうではありませんか。
- 時透無一郎→胴体切断
- 不死川玄弥→顔面切断
この2人は上弦の壱”黒死牟”によって大ダメージを受けてしまいました。
時透と玄弥の命を
悲鳴さんのセリフより
決して無駄にするな!!
奴らは死んだ
黒死牟の回想より
刀の効力も
術の効力も間もなく消える
その上悲鳴さんや黒死牟もこのように言っていたことから、二人の死亡はほぼ確実なものでしょう。
本作では「人間の人生の不条理さ」を描いています。
人間という生き物は強大な力を持つ運命には抗えないのです。
なんていうんですかね…。
例えば炎柱の煉獄さんのような人格者であっても、上弦の参”猗窩座”のような格上の相手と戦えば命を落としてしまいます。
他の少年漫画では、命を落とした人間でもミラクルパワーで蘇ってしまうこともあります。
しかし本作ではそんなミラクルは絶対に起こりません。
奇跡も魔法もあるのが少年漫画。
奇跡も魔法も存在しないのが『鬼滅の刃』と言ったところでしょうか。
ページをめくれば人間の命の儚さ、尊さを改めて実感できるのが本作の魅力だと思いますが、同時に好きなキャラクターとのお別れする可能性が高く悲しくなってしまいますね。
不死川玄弥について
まずは不死川玄弥について語っていこうではありませんか。
彼という人間をのべるにあたって避けては通れないのが、兄である風柱・不死川実弥との関係でしょう。
二人の父親は非常に暴力的であり、妻(二人の母)や兄弟たちに暴力を振るうような人間でした。
父親が死んだのちに玄弥と実弥は力を合わせて兄弟を養っていくと誓います。
しかし鬼になった母親を実弥が殺したことにより、二人の仲は最悪なものになってしまいました。
今回の戦いにて実弥が玄弥を大切に思っていたことを打ち明けて、昔のようなお互いのことを愛し合える関係に戻ったと思ったのですが…。
玄弥と実弥の過去を軽くまとめると上記のような感じになるでしょう。
うーん。
このようにまとめてみると、竈門兄妹と非常に似通ったことが分かりますね。
もし二人の母親が禰豆子と同じように、人間を食べずに生きれるような体質であれば、ここまで関係がこじれることはなかったでしょう。
そうはならなかったのは、二人には生まれた時からそのような残酷な運命を背負うことが決められていたからであるはずです。
上弦の壱”黒死牟”との戦いにてやっと和解できたのに、そのときにはもう玄弥はこの世には存在しません。
なんだか運命は残酷だと思ってしまいますよね…。
どうせ上弦の壱”黒死牟”を倒せたのであれば、みんな全員で笑得るような状況であればよかったのに…。
なんだかなぁ。
時透無一郎について
次に時透無一郎くんについてです。
彼も玄弥と同じく、ここで死ぬような人間ではなかったと思います。
炭治郎と年もあまり離れていなく、刀鍛冶の里編にて共闘したおかげで仲も良くなってしましたし。
やっぱり、主人公の同世代のキャラクターは生きないといけないじゃないですか!
彼は肩書きこそ鬼殺隊最高の「柱」でありますが、分類的に言えば主人公と同世代であります。
そのことを考慮すると、今ここで死ぬべきではなくて、これからも鬼殺隊の若き人材として活躍すべき人間であったはずです!
言っていることめちゃくちゃだな…
あと時透くんには生き残ってもらわなければいけない理由が1点ありました。
それは彼が黒死牟の子孫であるという理由です。
黒死牟が首を切られたあたりから彼の過去変が始まりましたよね。
- 黒死牟の弟が縁壱と言う
- 日の呼吸・ヒノカミ神楽を使う最高の剣士であったこと
- そして黒死牟が弟の才能に誰よりも嫉妬していたこと
大きく分けてこの3点が述べられていました。
これで黒死牟という人間が、どのような思いで鬼になったのかはわかるようになりましたね。
しかし縁壱が鬼になった兄をどのように見ていたのかは説明不足のような気がします。
おそらくは黒死牟のことを憐れんだと思いますが、彼の心情を全て知ることができなく疑問点や腑に落ちない点が多くあるような状態です。
縁壱という人間像を掴めていなく、頭に「?」マークを思い浮かべながらジャンプを読んでいる人も多いかと。
おそらく縁壱は『ONE PIECE』におけるルフィの祖父・ガープ的な人間なのでしょう。
その実力と多くの敵を倒した実績により、血縁者から裏切り者を出してしまった罪を免除されている感じですね。
縁壱が登場し黒死牟の謎が解消されたことにより、黒死牟が初登場した時と同じ量の謎が読者に襲い掛かります。
本作は謎が謎を呼ぶような展開なのです。
それらの謎を一気に解決するためにも、黒死牟の子孫である時透無一郎君には生き残ってもらわなければいけなかったのです!
なんで死んでしまったんだ!
上弦の壱”黒死牟”について
首を切られてより「鬼らしい」姿に!
黒死牟が鬼になった理由。それは最強の剣士である弟・縁壱に誰よりも嫉妬し、憧れていたからです。
最強の鬼でありながらも、最強の剣士を目指していると言う、海兵なのに海賊王を目指すみたいな、めちゃくちゃな感じがしますが、そのめちゃくちゃな道を進むことこそが黒死牟の生きる道だったのです。
上弦の伍”玉壺”などの強力な鬼血術を使う鬼の中には、元は人間とは思えないような歪な肉体を持った個体も存在します。
それなのにも関わらず、黒死牟があくまで「人型」であったのは、最強の剣士という「人」の到達点に近づきたいという思いがあったからなのではないでしょうか?
鬼でありながら最強の「人」を目指していた黒死牟ですが、首が切れて再生した後の自分の姿を見て絶望してしまいます。
その姿は自分の目指した「人」の形からかけ離れている、まさに「鬼」のような醜い姿でした。
黒死牟はこの「鬼」の姿になったことにより、自分が完全に「人」ではなくなったことを自覚します。
自分が誰よりも憧れた縁壱、「人」の到達点に達することが出来ないことを本能的に理解したのです。
だからこそ黒死牟は生きる意味を見失い、肉体を再生させるという「鬼」なら誰でもができることも出来なくなったのでしょう。
黒死牟の最期は色々な解釈ができると思いますが、私は「人」としても「鬼」としても死ぬことが出来なかったんだなと思ってしまいましたね。
そんな彼ですが、弟に勝ちたいと誰よりも願い、鬼舞辻無惨という鬼に魂を売ってしまいました。
何があっても弟よりも強くあろうとする黒死牟の志は尊敬できるものです。
決して黒死牟の生涯は無意味なものではなかったはずです。
弟は兄を誰よりも認めていたんですよね…
今回のラストにて縁壱は兄である黒死牟の「この国で一番強い侍になる」という夢に感銘を受けたことが判明します。
そして自身は「この国で二番目に強い侍になる」という目標を持つようになりました。
- 魔法帝になる
- 火影になる
- 海賊王になる
それらの少年なら誰でも憧れるような夢を見るのと同じような感じで、縁壱は兄である黒死牟を見ていたはずです。
この時に移った縁壱の姿は、非常に幼いものでありました。おそらく現代で言うところの中学生ぐらいでしょうか。
そのような年齢なのにも関わらず、痣を発現させていた縁壱は、他の誰よりも才能を持った剣士だと言って良いでしょうね。
黒死牟は死に際に幼い頃の弟の姿を思い出したことから、彼が弟に嫉妬し始めたのはかなり早い時期からだったことが読み取れます。
一方で縁壱はそんな兄の心の闇に気付くとができなく、放置していました。
もしこの兄弟がきちんと意思疎通をして、お互いの本音を言い合えたのであれば、黒死牟と言う鬼は誕生しなかったはずです。
黒死牟が生まれると言う最悪の事態になってしまったことこそが、最強の鬼狩兄弟に与えらせた過酷な運命だったのかもしれません。
最後に
- 上弦の壱”黒死牟”が死亡
- しかし時透無一郎と不死川玄弥も死亡
- 日の呼吸の使い手である縁壱は兄である黒死牟に憧れていた
今回のまとめを書くとこんな感じですね。
今回にて上弦の壱”黒死牟”戦が終わってすこし寂しいです。
上弦の弐”童磨”との戦いはスカッと読み終えれたのですが、、、。同じ上弦戦でもここまで読み味に差が出るとは、、、。