別に、ネタバレ有りで語ってしまっても構わんのだろう?
これはアルケイデスが宝具『天つ風の簒奪者』を初めて使用した時のセリフですね。
『天つ風の簒奪者』の能力は相手の宝具を奪うという規格外なものでした。
ジャックさんはその宝具を食らったことにより、一気に弱体化してしまい令呪による撤退を余儀なくされてしまいました。
作中のアルケイデスのセリフから『天つ風の簒奪者』は、彼が認めた相手にしか使いたくないという意思が感じます。
ギルガメッシュでいう所の『乖離剣エア』みたいな感じですね。
そこでふと疑問に思いました。
アルケイデスは『天つ風の簒奪者』無しでジャックさんに勝てるのでしょうか?
ということで今回はそれについて考えていこうと思います。
目次
今回の考察に必要な情報をまとめる
まずは今回の考察に必要な情報について軽くまとめていきます。
特に述べる必要があるのは、以下の3点ですね。
- アルケイデスの詳細情報
- 天つ風の簒奪者 の詳細情報
- ジャックさんの戦闘力
アルケイデスとは
本作に登場する2人目のアーチャークラスのサーヴァントです。マスターはバズディロット・コーデリオン。
ギリシャ神話の大英雄「ヘラクレス」に対して令呪3画を使用したのち、サーヴァントの性質を歪める「聖杯の泥」を流し込んだことにより生まれたサーヴァントでした。
上記の経緯によって神々を憎む心を思い出したため、エクストラクラスの一種である復讐者「アヴェンジャー」の性質も持ち合わせています。
復讐者と聞くと『Fate/hollowataraxia』で登場した最弱のサーヴァントであるアンリマユを連想してしまうので、どうしても弱いという印象が出てしまいます。
しかしアルケイデスの実力は本物です。本作では珍しい真っ当に強い正統派サーヴァントである真ライダー・ヒッポリュテを圧倒していました。
その上、Fateシリーズ通しての最強クラスのキャラクターであるギルガメッシュと同等の戦いをしています。
天つ風の簒奪者(リインカーネーション・パンドーラ)とは
アルケイデスは「アヴェンジャー」になったことにより、神々への繋がりを示す「神性」が消えてしまった上に、アーチャークラスに自動付与されるスキル「単独行動」が大幅に低下しました。
しかしその対価に見合う強力な追加宝具を得ることになります。そのひとつが「天つ風の簒奪者」なのです。
その能力は「敵サーヴァントの宝具を奪取する」という規格外のものになっていましたね。
宝具といえばサーヴァントの切り札のようなもの。
本作序盤の偽ランサー・エルキドゥとギルガメッシュとの戦いを見てもらった人なら、そのことを十分に理解しているはずです。
二人の宝具が衝突したことにより、スノーフィールドの郊外にある砂漠に巨大なクレーターが何個も出来ていました。
そのサーヴァントが持つ宝具の性質によって色々ですが、サーヴァントが宝具を発動することにより周りの地形や敵陣営に膨大なダメージを与えることが可能になります。
宝具はサーヴァントにとっての切り札。それはFateシリーズを見た人なら誰でも分かるようなことですね。
アーサー王は実は美少女だった!と同じぐらい知っておかなければいけないことです。
アルケイデスは4巻のラストにて『天つ風の簒奪者』を発動することにより、ジャックさんの宝具を吸収して、自身の能力を大幅に上げました。
それを受けたジャックさんは宝具を使えなくなってしまった上に、霊基ごと宝具を吸収されてしまったので、サーヴァントとしての能力が大幅に下がってしまいました。
他のサーヴァントと戦闘できないような状態まで追い込まれました。
『天つ風の簒奪者』は決まれはサーヴァントをほぼ戦闘不能の状態まで持っていける、規格外な性能を持った宝具だと言って良いでしょう。
アルケイデスはこの『天つ風の簒奪者』の他にも宝具を所持していました。
それは…
- 十二の栄光
- 射殺す百頭
ですね。
これらについては後から詳しく説明していきますね。
ジャックさんとは
ここで偽バーサーカー・ジャックさんの能力について振り返ってみましょう。
バーサーカーといえば「狂化」というスキルが自動的に付加されており、理性と引き換えにあらゆる能力が上昇しています。
しかしジャックさんは殺人鬼ということもあり、召喚される前から元々「狂化」のスキルが付与されているような状態でした。
なので「マイナス×マイナス=プラス」ということになり、狂化のスキルは機能していない状態です。
なので他のバーサーカークラスのサーヴァントとは異なり、理性を持っているので、マスターであるフラットとも意思疎通が可能になっています。
ジャックさんもアルケイデスと同様に、規格外の宝具を持っていましたね。
『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて(フロム・ヘル)』と、『其は惨劇の終焉に値せず(ナチュラルボーンキラーズ)』ですね!
『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』
『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて(フロム・ヘル)』はジャックさんが悪魔だったという逸話を基にした宝具。
それを使うと悪魔の姿に変形することが可能になります。
これによって攻撃力が大幅に上昇。アルケイデスにも大きなダメージを与えていました。
またアルケイデスには『神獣の裘』という、人が作った武器を一切無効にするチート防具を持っていましたね。
『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』での攻撃は「人が作ったもの」に該当しないので、アルケイデスに直接ダメージを与えることができるようになります。
ジャックさんはバーサーカークラス特有の攻撃力を上げるスキル『狂化』が効いていない状態で、火力はそんなないと思っていました。
しかし実際には、他のサーヴァントに引けを取らないほどの攻撃力を持っていたのです。
『其は惨劇の終焉に値せず(ナチュラルボーンキラーズ)』
そしてもう一つの宝具が『其は惨劇の終焉に値せず』です。
この宝具は「切り裂きジャックが複数人いたのではないか」という逸話を基にした宝具。
その効果は自分自身の分身を作るというもの。
その分身の量はマスターの魔力に依存しており、フラットと契約している際には512人ほどに分裂できます。
この宝具の一番のメリットは先ほど述べた『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』と両立できる点。
流石に出現する分身の量は少なくなってしまいますが、それでも悪魔のようなバケモノを200体以上出現させることが出来ます。
アルケイデスはジャックさんの宝具を『天つ風の簒奪者リインカーネーション・パンドーラ』を使うことによって攻略しました。
それを使わないとなると、やはり対軍宝具のような広範囲攻撃手段が必要になってきますね。
アルケイデスは天つ風の簒奪者を使わずにジャックさんを倒せたのか
今からアルケイデスは天つ風の簒奪者を使わずにジャックさんを倒せたのかについて考えていこうと思います。
ここで押さえておかないといけないのは「アルケイデスの宝具がジャックさんに通用するのか」です。
- 十二の栄光(キングス・オーダー)
- 射殺す百頭(ナインライブス)
アルケイデスの『天つ風の簒奪者リインカーネーション・パンドーラ』以外の宝具といえばこれらが上がりますね。
なおバーサーカークラスとして召喚された時には、自分の命をストックを持てる『十二の試練』という宝具を所持していましたが、聖杯の泥に汚染されたせいでその宝具を失っております。
アルケイデス当初、『天つ風の簒奪者』を使わなくても勝てるような口ぶりだった
アルケイデス自身はジャックさん戦では『天つ風の簒奪者』を使おうとは思っていなかったはずです。
名も知らぬ殺人鬼よ。敬意を持って、私はお前から簒奪しよう
奪う価値が、お前にはある
ー『天つ風の簒奪者リインカーネーション・パンドーラ』ー
これは冒頭にも載せたアルケイデスが『天つ風の簒奪者リインカーネーション・パンドーラ』を発動する時のセリフです。
注目したいのは「敬意を持って」と「奪う価値が、お前にはある」という部分です。
この二つの言葉から、アルケイデスは自分が強いと思う相手からしか能力を簒奪しようとはしない。
つまり実際に戦ってみて、相手の実力が弱いのであれば『『天つ風の簒奪者』を使わないのです。
もともとアルケイデスはヘラクレスという世界中の誰もが知るような大英雄です。
サーヴァントの強さは以下の3点によって決められます。
- 土地
- 知名度
- マスターの魔力
聖杯戦争を開催されている土地で有名なサーヴァントほど強力になります。
ジャックさんはアルケイデスなど比較すると、最近になって現れたただの殺人鬼。
神秘性も薄い上に、他のサーヴァントと比肩するほどの逸話もありません。
なのでアルケイデスにサーヴァントとしての実力がないと思われても仕方ないと思います。
そういう事情があったので、アルケイデスはジャックさんを甘く見て、最初は『天つ風の簒奪者リインカーネーション・パンドーラ』を使うつもりではなかったのだと考えました。
実際にはアルケイデスはジャックさんの実力を見誤り、想定よりも強かったため『天つ風の簒奪者リインカーネーション・パンドーラ』を使うことにしましたが。
ジャックさんには『十二の栄光』はあまり効かない
- 十二の栄光
- 射殺す百頭
先ほども述べたようにアルケイデスは『天つ風の簒奪者』を使わない場合、この二つの宝具で戦わなければいけません。
アルケイデス自身パラメーターも所持スキルも良いですが、本気を出しているジャックさん相手だと、宝具無しではまともな戦闘ができないと思います。
このうちのひとつ『十二の栄光(キングス・オーダー)』ですが、ジャックさんとの相性が悪くなっています。
アルケイデスが聖杯の泥によって属性が反転し、『十二の試練』を失った代わりに得た宝具。
己が伝承で手に入れた宝具を使い潰すことが出来るという効果を持っています。
それによって人間の作った道具を完全に防ぐ『神獣の裘』や、生前の自身や師匠のケイローンを蝕んだ『ヒュドラの毒』を使いこなすことができます。
またケルベロスやディオメデスの妖馬などの動物を召喚して、ライダーのクラスのように自在に操ることも可能です。
アルケイデスは『十二の栄光』を使用してケルベロスを召喚しますが、『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』を使い悪魔の姿になったジャックさんによって一瞬で倒されてしまいます。
その上ギルガメッシュの『王の財宝』をも防いだチート防具『神獣の裘』も、ジャックさんが道具を使わない故に無意味なものになっています。
このように『十二の栄光』とジャックさんは相性が悪く、使ってもあまり意味を成しません。
『天つ風の簒奪者』を使わない場合、『射殺す百頭 』のみで攻撃することになる
武器の力を最大限に生かす能力を持つ宝具。
弓以外の武器を持っても『射殺す百頭 (ナインライブス)』は使用可能であり、剣で使用すれは無呼吸の9連撃の斬撃となり、槍で使用すれば9連同時の御技となります。
『Fate/strangeFake』ではギルガメッシュの『王の財宝』を撃ち落とすのに使っていましたね。
ざっくりいうと『射殺す百頭 (ナインライブス)』の威力≒『王の財宝』の威力と捉えても良いと思います。
アルケイデスは『射殺す百頭 (ナインライブス)』のみでは『王の財宝』を防ぎきれていませんが、チート防具『神獣の裘』と併用することできちんと攻撃を防いでいます。
その上ギルガメッシュに弓を当てて、『十二の栄光』を使い付与した『ヒュドラの毒』を盛ることも成功していました。
ジャックさんが『其は惨劇の終焉に値せず』を使用して出せる分身の数は最大512人。
『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』と併用した際には200以上となっています。
なのでアルケイデスが『射殺す百頭 』のみでジャックさんに勝とうと思うと、200以上の悪魔を同時に倒さなければいけません。
『射殺す百頭』は状況に応じて攻撃範囲が変わる宝具ですが、そこまで広範囲に攻撃できるとは思えません。
確かにギルガメッシュの『王の財宝』を防ぎきるのはすごいと思います。
ですがその本質は9連撃の斬撃です。
9連撃の攻撃にて200以上いる悪魔を同時に倒すのは難しそうですね。
アルケイデスの召喚したケルベロスが『其は惨劇の終焉に値せず』の警官姿の状態の分身を攻撃した際には、ケルベロスに食われながらもその数を増やしていました。
このことから二つの宝具を使って出した悪魔も一度倒しても再び出現すると思われます。
アルケイデス自身、この悪魔たちと戦って追い詰められたことも加味すると、『射殺す百頭 』のみではジャックさんを倒しきれなかったと思います。
考察結果
ということで、アルケイデスは『天つ風の簒奪者』を使わずにジャックさんを倒すのは出来なかったと考察しました。
200体以上の悪魔を同時に倒すのはアルケイデスでも困難だと思いますね。
こうやってまとめてみるとジャックさんの戦闘力が規格外だということを再び認識できます。
普通の聖杯戦争だったらかなり上位クラスの実力になっていたのではないでしょうか?
ただジャックさんが負けてしまったのはアルケイデスが『天つ風の簒奪者』という宝具を奪うチート宝具を持っていたからです。
要するに『天つ風の簒奪者』は反則級に強い!