今回は『りゅうおうのおしごと』の考察です。ネタバレ有りです。
本作は心踊る熱血バトルが見所ですが、盤外戦術も意外と多く行われています 。
主人公の九頭竜八一もプロ棋士になる前、姉弟子と共にルールギリギリの番外戦術を練習していました。
ですが、八一は今までの対局の中で番外戦術を一切使用していません。なぜなのでしょうか?その理由を考察します。
目次
作中で使われた盤外戦術
数ある盤外戦術の中から特に印象に残ったことをまとめていきます。
銀子対あい
あいの入団試験にて、推奨会会員である空銀子と対局した時です。
銀子はあいが呼吸をする瞬間に駒をうち、あいの呼吸のリズムを崩すという盤外戦術を披露しました。
それに加えて、あいが大きなミスをした時にあえて持ち時間を使い、あいにそのミスの重さを認識させるという、非人道的な行動までしていましたね。
これにより、あいは劣勢だったのに、自分のリズムを崩されてしまい、劣勢な盤面を覆せず負けてしまいました。
この時の銀子はマジで鬼畜の極み でしたね。
桂香さん対天衣
桂香さんはいつもは他の人に優しく接していたものの、その対局の日だけ、話しかけるなオーラを出して、周りの棋士たちを威圧 。
それにより、桂香さんは試合会場の空気を我が物としました。
その後、桂香さんは天衣に対して「この対局はウォーミングアップ」だと言って挑発。天衣は完全に桂香さんに乗せられてしまい負けてしまいました。
八一と番外戦術
番外戦術を銀子と研究していた
彼は昔姉弟子との研究にて、どんな手段を使ってでも勝つ方法を模索しており、その過程で盤外戦術の練習も取り入れていました。
その研究は思ったよりもキツかったのか、八一はプロになる手前の“三段リーグ”に入った際に、正直ヌルかったと感じたようです。
この時に行われた盤外戦術の練習は、実践以上のレベルだと言っていいでしょう。
三段リーグの時はやってた可能性の方が高い
八一は三段リーグを思っていたよりもヌルいと言ってたものの、抜けるまでにとても苦労をしています。
その証拠に三段リーグについて「どんな手段を使ってでも勝たないといけない 」と語っており、当時のことを思い返したシーンでは、いつもよりも暗い感じがします。
八一は三段リーグを抜けるために、持てる戦術を全てつかったでしょう。もちろん盤外戦術も使っていたはずです。
プロになってからの八一
汚い棋譜を残せないという使命感
八一は竜王というタイトルを持っていることに責任をもっており、惨めな棋譜を残すぐらいなら投了した方がマシ だと考えていました。
第1巻にて神鍋歩夢に負けそうになった時は、投了する気マンマンで、あいが来たから投了はしなかったものの、そのまま試合が進んでいたら、八一は歩夢に負けていたでしょう。
強敵と当たる機会が多い
八一はプロ棋士になってすぐに竜王のタイトルを取ってしまったため、公式戦でもシード枠に入る事が多く、必然的に強敵と多く戦う機会が多くなります 。
作中で八一が戦った相手を振り返ると
- 両刀使い”山刀伐尽”
- 盲目の棋士”月光聖一”
などがあがり、プロ棋士の中でもトップクラスの実力を持つ人が多いです。なので、対策を練るのに必死で盤外戦術を研究している暇はなかった のではないでしょうか。
八一の盤外戦術のレベルではプロ棋士相手に通じない
よって、対戦相手の棋士が盤外戦術が通じるような相手ではないと判断した為、使用しなかったという可能性もあります。
考察結果
八一が盤外戦術を使わない理由は
- 竜王として恥のない将棋を指したい
- そもそも盤外戦術なんて通じない相手が多い
という結論になりました。
作中に出てきたA級棋士はみんなメンタルが強そう な感じがしますね。彼らが盤外戦術を使われてうろたえている姿は想像できません。
彼は盤外戦術を軽視している訳ではありません。弟子の夜叉神天衣が盤外戦術に弱いと思ったら、トレーニングして耐性をつけてさせたりしてました。
アユムに対しては、粘り勝ちとかしてたよね?
コメントありがとうございます。
八一が歩夢との対局で粘り勝ちをした件ですが、匿名さんのように盤外戦術ととらえる方もいると思います。
ですが、一応普通の対局の範囲内ということで盤外戦術としてカウントしませんでした。