ということで、今更感がありますが『りゅうおうのおしごと!』12巻の感想を書いています。
この12巻ですが、めちゃめちゃ面白くてもうすでに3回ぐらい読み返していますし、何回読んでも最高だな!と思ってしまいます。
ではなぜ感想記事を書かなかったかと言いますと、単純に気力が尽きて文章を書けるような状態じゃなかったからです。
鏡洲飛馬がカッコ良すぎる!
今回は推奨会試験編最終回。本作はこれにて大きなひとつの区切りを迎えることになります。
ある意味では八一が名人と戦う事になった5巻と同じぐらい重要だと言えるでしょう。
推奨会とは一般人がプロ棋士になるために受ける試験のようなもの。
そんな試験の中でライバルたちが全力を出せるようにアドバイスしてしまう鏡洲さんは最高にカッコ良すぎた!
その時の「俺は俺のままプロになるッ!!」と言うセリフは最高に痺れましたね!
何だろうな。
普通の人だったら、プロ棋士になる夢を叶えるためなら何だってしますよね。
姉弟子が今回序盤に戦った体育会系の棋士だって、敵のミスを誘うためにあえてトイレにこもっていましたし。
そんなかつためならどんなことでもやる修羅場の中で、自分の意思を貫き、正々堂々と戦う鏡洲さんは非常にカッコ良かったです!
「俺は俺のままプロになるッ!!」私もそう言えるような人間になりたい。
何かをやるには「勇気」が必要
どれだけ崇高な目標を持っていても、どれだけ完璧な計画を立てていても、最初の一歩を踏み出さなきゃ……踏み出す勇気を持たなきゃ、決して実現しないものなの。月並みなことを言うようだけど、それがなければ何も始まらない
168ページの夜叉神天衣のセリフより
これは姉弟子に恋愛としての敗北を味わったあいに対して、天ちゃんが言ったセリフです。
彼女はこの言葉どうり「勇気」を持って八一をデートに誘って「勇気」を振りしぼりキスをしました。
姉弟子にも、あいにも勝てる可能性が少ないのを知っているのにも関わらず、それでも彼女は「勇気」を振り絞るのです。
勇気がないと何もできない。夢を追うことすら許されない。これは本作の最初から一貫しているテーマの一つですね。
どんな絶望的な状況に追い込まれても、可能性が0に等しくても、「勇気」を持って行動すれば新しい可能性が生まれてくる。
人生を豊かにするためにはどんなものよりも「勇気」が必要なんだ!
と言うメッセージ性を感じられるような、素敵なシーンでした。
AIは人を超えられるのか?
本作は6巻以降から新しい展開になっていますね。
姉弟子の推奨会編が始まったり、女性棋士をフューチャーしまくったりとか。
その一環として「AIと人間はどちらが優れているのか?」と言うものがあります。
天才棋士>AI>一般プロ棋士>推奨会員>女流棋士
現状の本作のパワーバランスをまとめるとこんな感じになっています。
基本的に人間である棋士はAIに勝てないんですよね。
その証拠に作中では人間同士で研究会を行うのではなく、AIの研究が主流になっています。
ではAIは人間を完全に越えられたのかと言いますと、そうではありません。
AIは八一や名人といった将棋星人に勝てていないのですから。
先ほど書いたパワーバランスを調整するとこんな感じになるでしょう。
将棋星人>AI>地球人
では名前にAIを宿した八一の一番弟子はどうなるのか。
最低でも人間を超えるような棋力を得て、限りなく将棋星人に近づくことになるでしょうね。
その実力は姉弟子をも上回るでしょう。おそらく将来的には姉弟子のように最強の女流棋士として君臨するのではないでしょうか?
話は逸れましたが、現在は将棋星人たちのおかげでAIは人間よりも弱いのですが、これからの将来AIの実力が八一や名人を上回る可能性が高いです。
そうなった時、人類はどうなってしまうのでしょうか?
こういったSF的な妄想もできるのも本作の魅力のひとつですね。
姉弟子はあいに勝てないと思っている?
だからそれを指せたのは偶然でしかない。
偶然と……気まぐれな幸運のおかげ。
つい最近------詰将棋で見たから。
346−347ページより引用
鏡洲さんとの将棋のラスト、姉弟子は最近見た詰将棋で見た棋譜が出てきたからこそ勝利をもぎ取ることができました。
姉弟子は詰将棋を解けなかったら、鏡洲さんに敗北してしまいプロになれませんでした。
その詰将棋はあいが考えたものになっています。
さらに恐ろしいことに、あいはこの詰め筋を実践の中で編み出したそうです。
このことから姉弟子の実力はあいよりも弱いかもしれないということが読み取れます。
詰将棋を受け取ったシーンの近くに、あいに八一を支えてほしいとお願いしたあたり、姉弟子は心のどこかで棋士としてあいに勝てないと思っているのではないでしょうか?
次回以降の展開について
- 姉弟子プロ化
- 八一最強!
今回にて推奨会編が終わったのと同時に、かなりストーリーが進んでしまいました。
その上、主人公である八一を強くしすぎたので、次回以降のネタがないような気がします。
一個だけ良いネタがありました。
それは…
あいのタイトル戦!
本作はあいがタイトルを取ることを作品も目標にしています。できなかったら八一はあいと結婚してしまいます。
そうなってしまったら読者と姉弟子が許さないでしょう。
ただこれをやってしまったら、いよいよやることはなくなってしまい、本作の最終回一歩手前のような状態になってしまいます。
次回以降どうなってしまうのかについて注目ですね。色々な意味で先が読めん。
まとめ
そんな感じで『りゅうおうのおしごと!』12巻の感想を終わらせていただきます。
今後の展開なのですが、どうしても避けて通れないようなものがありました。
それは姉弟子VSあいです。
あいのライバルといえば同年代の天ちゃんの方を上げる方が多いと思いますが、初代ライバルは姉弟子です。
なんて言ったって本作1巻にてあいは姉弟子にボコボコにされているのですから。
現在の姉弟子は自分の実力と才能があいに劣っていると認めています。
いざ戦って敗北してしまった場合、メンタルがブレイクしてしまうでしょう。
はたしてどうなってしまうんでしょうね。
イラストコーナー。
今回ラストの姉弟子VS鏡洲さんをイメージして書きました。
実はこのイラストを書き始めたのは3週間ぐらい前になります。今描いたら色々とうまくかけたのに…